気で、最後まで希望を捨てないマートン技師も、今は別人のように悲観の淵に沈んでいる。
「ああそうだ」と河合が叫んだ。
「マートンさん、まだやってみることがあるではありませんか」
「まだやってみることが? それは何……」
「われわれの力だけでは、もうどうにも手の施《ほどこ》しようのないことは分りましたが、しかしここは火星国です。火星人の智恵、火星の資源、火星人の労働力――そういうものはうんとあるではありませんか。それにあのギネという火星人は、これまで秘密のうちに、地球まで三回も往復しているんだそうですから、あの火星人に頼めば、われわれの知らない強力なエンジンを貸してくれるかもしれませんよ。そしてたくさんの火星人の労働力を借りるなら、どんな巨大な宇宙艇だって楽に早く建造することが出来るのではないですか」
「おお、それはすばらしいアイデアだ。そうだ、われわれはわれわれの力だけで解決することを考えていたので、宇宙艇の再建造は不可能だと決めてしまわねばならなかったんだ。火星人に協力を求める! なるほど、そうだったね。そういう道があるのだ」
河合少年の思付《おもいつき》は、早速《さっそく》マートン
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