ネッドの死骸を放り出した。
「ああああッ。僕はもう死んでしまったのかい。ああああッ、それはなさけない」
ネッドは妙なふるえ声で叫んだ。そして目をぱちぱちやった。
山木と河合は事情をさとった。ネッドは死んでいなかったのだ。
「ネッド、起きろ、大丈夫だから起きろ」
「あたいをコロラド大峡谷《だいきょうこく》まで、一しょにつれていってくれるかい。それを約束するなら生き返ってもいいよ」
ネッドは、際《きわ》どいかけひきをやった。山木と河合とはふき出した。
「生き返るのがいやなら、ここでいつまでも死んでいるがいい」
「それよりも張《チャン》を見てやろうよ」
「張も死んだまねをしているのじゃないか」
山木と河合とは、張の方へ走り寄った。張は仰向けになって伸びている。
「あ、血が出ている。これはほんとうにたいへんだぞ」
「おい、張、しっかりするんだよ」
「龍王洞《りゅうおうどう》の仙人さま、死んじゃ損ですよ」
ネッドもいつの間にか傍へよってきて、張少年に声をかけた。
「ううッ。痛い……」
皆の呼ぶ声が、張に通じたと見え、彼は呻《うな》り声《ごえ》をあげ、顔をしかめた。
張は死んだのでは
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