じてあらゆる後援を惜しまず、その申出に待機することとなった。
 こうして地球と宇宙艇との通信さわぎは、一先《ひとま》ず治まり、無電員も楽になった。
 デニー博士は会議の席へ戻った。そしてそれから二時間、割合としずかな時刻が過ぎていった。
「いったい、今、時刻は何時なんだろうね」
 と、乗組員のひとりが、同僚に訊《たず》ねた。
「お昼頃だろうね。ほら、太陽は頭の上に輝いているよ」
 彼は丸窓を通して、上を指した。
「でもへんだぜ、この火星へ着陸してからもう四時間は過ぎたのに、太陽は初めからほとんど同じように、頭の上に輝いているんだからね」
「そんなばかなことがあってたまるか」
「だって、それは本当だから仕方がない」
「それはこういうわけさ」と、通りかかったマートン技師が笑いながらいった。
「火星の上では、一日が四十八時間なんだもの。つまり火星は地球の約半分の遅い速さで廻っているので、二倍の時間をかけないと一日分を廻り切らないのだ」
「へへえ、そいつはやり切れないな。三度の食事に、二倍ずつ食べないと、腹が減って目がまわっちまうぜ」
「なあに、一日に六度食べればいいのさ」
「いや、そうはいか
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