を急速にこちらへ近づき、映像は大きくなって来た。
 密林を作っている木は、どこか松に似た逞しい灌木《かんぼく》であった。それが密生しているのだった。木の高さは十メートルぐらいはあるように思われた。かなり背の高い木であった。
 山木のおどろいたのは、その木の背の高いことでもなく、また密林の壮観でもなかった。その密林の或る箇所において、何か動いているもののあるのを見つけたからだ。それは密林の木間に見えたり隠れたりしている。
(火星の動物らしい)
 山木は、その姿をもっとはっきり見定めようとして、テレビ見張器の拡大をあげていったわけだが、その木の間にうごめくものはだんだん大きくはっきりと映写幕にうかびあがってきた。
 果して、それは動物だった。
 だが何という妙な形をもった動物であろうか。早くいえば、それは蛸《たこ》と昆蟲の中間の様なものであった。すなわち大きな頭部を持ち、それを細い体が重そうに持ちあげているのだ。頭部には、大きな目が二つついていた。鼻は見あたらず、その代りに絵にかいてある蛸の口吻《こうふん》そっくりの尖ったものが顎《あご》の上につき出ているのだった。その上に顔の両側に驢馬《
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