草《かいそう》の林も七色の魚群もうしろに走り去って、あたりは急にうすぐらくなった。軟泥《なんでい》を背景として、人骨がちらばっており、深海魚《しんかいぎょ》の燐光《りんこう》が気味《きみ》わるく点《つ》いたり消えたりするところもとび越えて、底知れぬ岩の斜面《しゃめん》にそっておりていく。その先にあるのは竜宮城《りゅうぐうじょう》か、それとも海魔地獄《かいまじごく》か。
とつぜん樽ロケットが強力な探照灯《たんしょうとう》をつけたらしい。前方がぱっと明るくなった。
「ああ、きれいだこと」
ヒトミがさけんだ。
「おや、なんだろう、あれは……」
東助は目をみはった。
見よ、行手の海底から何百条何千条というたくさんの白煙が下から上へと立ちのぼっている――いや、白い煙ではなかった、それは柱であった。みんな一様にやや倒れそうに傾いているのが、煙のように見えたのだ。
そのおびただしい白い柱《はしら》の根元《ねもと》には、同じ色のガス・タンクのようなものが一つずつあった。そばへ寄ってみると、たしかに大型のガス・タンクほどの大きさなのでおどろいた。
上へのびている柱は、いずれも大汽船の煙突より
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