本当の姿は見えません」
「あれが切り口ですか。切り口が立体《りったい》になっているのですか」
「へんなようだが、すこし考えると、わけが分ります。ほら、またあらわれましたよ。こんどは長椅子《ながいす》の上のところだ」
博士の声に、ヒトミと東助は、またさっと顔を青くして、その方をながめた。
なるほど長椅子のすこし上になる空間に、飛行機のエンジンのようなものがあらわれた。それが見ているうちに横へのびて、一本の長い棒となった。
するとその棒が、間もなく縮んで、もとのとおりの、飛行機のエンジンみたいな形になった。それからまた棒になった。そういう変化を、規則正しくくりかえすのであった。やっぱりおどろかされるが、さっきのモルネリウスみたいに気味はわるくない。
「見えますね。あれは四次元世界で使っているエンジンの切り口であります」
やっぱり切り口は立体だから、あのように見えるのだろう。ふしぎである。
「こわいですか。こわければ、もう引返しましょうか」
博士は、きいた。
東助とヒトミは、目を見合わせた。こわいことはこわいが、それをしのんで、ふしぎな四次元世界の切り口をもっと見てまわりたい気も
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