配している。
「ほんとに、どうしたんでしょうね。どこかたいへん遠方へ旅行していらして、なかなかここまでおいでになれないのじゃないかしら」
ヒトミは、博士の遠方旅行説をだした。
「でも、博士の樽ロケットはすごいスピードをだすんだから、どんなに遠くへいっても、すぐ引返してこられるはずだものねえ」
「大宇宙のはてへいっていらっしゃるんじゃないかしら。一度あたしたちが、大宇宙のはてはどんなになっているか見たいなあ、といったことがあるでしょう」
「そうだったね。それでもあの樽ロケットに乗って走れば一と月とかからないはずなんだがね」
そういっているとき、二人は空の一|角《かく》に、かねて聞きおぼえのある音響を耳にした。
「あ、樽ロケットが飛んでいる音だ」
その音は、ちょっとの間にどんどん大きさを増していった。と、二人の前へ、空からどすんと落ちてきたのは、例の樽ロケットであった。胴中《どうなか》がふくれて、あいきょうのある形をしている、その樽だった。上に小さい煙突のようなものがついて、そこから残りの排気《はいき》らしい煙がすうーッと立ちのぼる。するとその煙の中から、ガウン姿のポーデル博士がひげ
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