す。さあ、それではそろそろでかけましょう」


   名霊媒《めいれいばい》


 松永老人に化けたポーデル博士につれられて、東助とヒトミは、心霊実験会の会場へいった。それは東京の郊外《こうがい》の焼けのこった町の岡の上にある広い邸宅《ていたく》であった。
 会員たちは、もうだいぶ集っていた。
「おや松永さん。久しぶりですね」
「おお、これは金光《かねみつ》会長さん。今日は孫を二人連れてきましたわい」
「ほう、それはようございました。お孫さんたち、ふしぎなおもしろいことが今日見られますよ」
 金光会長は、顔の外までとびだしている白い八字髭《はちじひげ》をゆりうごかして、東助とヒトミにそういった。この会長は、松永老人がにせ者だということにすこしも気がついてない様子。
「霊媒の、今日の身体の調子はどうですか」
「調子はいいそうですよ。もっとも岩竹さんは、今日は身体の調子が悪いといったことは今までに一度もないですなあ」
「おっしゃるとおりです。岩竹|女史《じょし》ほどのいい霊媒は、ちょっと今までに例がありませんね」
 会員たちのこんな話から察すると、この会の霊媒の岩竹女史は、たいへんすぐれた
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