ラランララ」
「うわーイ。ラランララ、ラランララ。ひゅーッ」
「わが蠅族の地球だ。世界だ。はっはっはっはっ。人間なんかもう一人もいやしない」
終幕の音楽。
「アナウンサーです。劇『原子弾戦争《げんしだんせんそう》の果《はて》』は終りました」
「どうでしたか、東助君、ヒトミさん。蠅《はえ》のテレビ劇はおもしろかったですか」
ポーデル博士がたずねた。
東助とヒトミは、それにすぐ答えることができなかった。二人の眼には、涙がいっぱいたまっている。
「おや、悲しいですか。何を涙しますか」
博士は、やさしく二人の頭をなでた。
「でもね、博士」と東助がとうとう声をだした。
「今の蠅の劇は、あんまりですよ。人類を意地悪くとりあつかっていますよ。人類は、そんなに愚《おろ》か者ではありません。原子弾を叩きつけあって、人類を全滅させるなんて、そんなことないと思うのです」
「しかし、原子弾の力、なかなかすごいです。人類や生物、全滅するおそれあります。地球がこわれるおそれもあります。安心なりましぇん」
「しかし、原子弾の破壊力をふせぐ方法も研究されているから、人類が全滅することはないと思います」
ヒ
前へ
次へ
全126ページ中45ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング