たった一発で、何十万何百万という人間を殺す力がある。そういうすごい原子弾を、人類は競争でたくさんこしらえている」
「ふーん、それはすごい。われわれはもちろん殺されてしまうね」
「それはそうだが、まあ待て。人類は亡びるが、われわれは亡びないんだ。というわけはやがて人類同士でこの次の戦争を始めるとなると、こんどはもっぱらこの原子弾を使う戦争となるわけだ。これはすごいものだぞ。戦う国と国とが、たがいに相手の国へ原子弾の雨を降らせる」
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と、ものすごい原子弾炸裂《さくれつ》の音響があとからあとへとつづく。そして原子弾をはこぶ無人ロケット艇《てい》の音がまじって聞える。また地上からは、死にいく人々のかなしい呻《うめ》き声がまいあがる。サイレンの音。高射砲の音。無電のブザーの音、聞えてはとぎれ、とぎれてはまた弱く聞えだす。と、また次の原子弾炸裂音が始まる。
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「すごいじゃないか。おやおや、さっきまであった大都市が、影も形もないぜ。見わたすかぎり焼野原《やけのはら》だ」
「今の爆撃で、五百万の人間が死んだね。生きのこっているのはたった二十万人だ。しかしこ
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