……たしかに、うまくいくはずなんだがなあ。どうして実物になると、うまくいかないのかなあ。……ええと、はじめこの自転車にのって、すこし走る。すると、タイヤが自転車と、のっている人間の重さでおされるから、タイヤの中のチューブの圧力がうんと高くなる。その圧力を利用して、ペダルの軸を回転させる。すると、一度自転車に、人間がのって走りだしさえすれば、あとは人間が足を使わなくとも、チューブの圧力で、いつまでも自転車は走っていくわけなんだが、……はて、どこが間違っているのかしらん。おかしいなあ」
東助に似た少年の顔には、解《と》きようのない困った色があらわれている。
ポーデル博士がいった。
「これも永久機関です。ものはちがっているが、原理はいずれも同じく永久運動なのです。ですから、いくら苦しんでも、実験は成功しません」
「先生。なぜ、永久機関は、成功しないのですか。なぜ、実物につくりあげることができないのですか」
「さあ、そのことです。世の中に、エネルギーなしで動くものはないのです。動けば、かならずエネルギーがいるのです。エネルギーなしで動くものは、この世の中にあってはならないのです」
「でも、
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