公園のそばの路を子供たちが、わいわいいいながら歩いている。
 すると、その後の方の子供が、忽《たちま》ちにすうーッと宙に浮いた。糸の切れた風船のように浮きあがったのである。
「あら、どうしたのかしら」
 と、まもなくその子供は下へおりてきた。その代り、その前にいた子供たちが、後の方から前の方へ、だんだんに宙づりになった。そしてやがてみんな元のようにおりた。
 それは奇観であった。
「先生。今のは、どうしたんですか」
 と、東助がたずねた。
 するとポーデル博士は答えた。
「今のは、すぐそばを飛行機が低空飛行で、子供たちの上を通ったからです。距離の自乗に反比例するなら、あんなことは起らないんですがね。もう一つ、別な光景を、見せましょう」
 ぱっと場面がかわる。
 田園都市の文化住宅の庭で、太った奥さんが、しきりに空を見上げて、
「おーい、おーい」
 と呼んでいる。
「あれは、何をしているのですか」
 と東助がきく。
「今に分ります。上から落ちてくるものがあります。それを見れば分ります」
 どすーンと音がして、空から庭のまん中に落ちてきたのは、藤《とう》の寝椅子だった。と思うまもなく、こん
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