ってくるよ。地下室へはいらないと、あぶない」
「あれは何でしょう。空に大きな丸いものが見えますわ。あ、だんだん大きくなる。お月さまのようだけれど、お月さまにしては大きすぎるし……」
「たいへんだ。お月さまも、地球へ引張られて、こっちへ落ちてくるんだよ。これはたいへん、地球と月が、衝突する。地球がこわれてしまう。ぼくたちは死んじまうよ」
「ああ、困った。ポーデル先生」
宙に浮《う》く
ポーデル先生が、いつの間にか、二人の前でにやにや笑っている。
あたりは、いつの間にか、前のとおり、樽ロケットの中になっていた。
「どうしましたか、ヒトミさん。東助君」
二人は、ため息をついて、
「先生、こわかったですよ。引力は、やはり距離の自乗に反比例していてくれた方がいいですね」
「はじめて分りましたね。距離の自乗に反比例するということが、どんなにありがたいかということを」
と、二人は、かわるがわるニュートンの発見した引力の法則をたたえた。いや、この世界が、そういう法則で支配される世界であることに、感謝をささげた。
「引力だけにかぎらず、磁力《じりょく》でも、電気の力でも、この世界は
前へ
次へ
全126ページ中114ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング