で宗太らを待ち受けていてくれたという。
 おまんをはじめ、半蔵夫婦、よめのお槇《まき》らは宗太のまわりを取りまいて、帰り路《みち》にもまた追分までは乗合馬車で来たとめずらしそうに言う顔をながめながら、この子供らの旅の話を聞いた。下隣に住むお雪婆さんまでそれを聞きにやって来た。下男の佐吉と下女のお徳とが二人《ふたり》ともそれを聞きのがすはずもない。お徳は和助のちいさい時分からあの子供を抱いたり背中にのせて子守唄《こもりうた》をきかせたりした長いなじみで、勝手の水仕事をするあかぎれの切れた手を出しては家のものの飯を盛ると、そればかりはあの子供にいやがられた仲だ。毎晩の囲炉裏ばたを夜業《よなべ》の仕事場とする佐吉はまた、百姓らしい大きな手に唾《つば》をつけてゴシゴシと藁《わら》を綯《な》いながら、狸《たぬき》の人を化かした話、畠《はたけ》に出る狢《むじな》の話、おそろしい山犬の話、その他無邪気でおもしろい山の中のお伽噺《とぎばなし》から、畠の中に赤い舌をぶらさげているものは何なぞの謎々《なぞなぞ》を語り聞かせることを楽しみにした子供の友だちだ。
「そう言えば、今度わたしは東京へ行って見て、姉
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