や阿弥陀如来《あみだにょらい》の化身《けしん》だとされていますよ。神仏はこんなに混淆《こんこう》されてしまった。」
「あなたがたはまだ若いな。」と九太夫の声が言う。「そりゃ権現《ごんげん》さまもあり、妙見《みょうけん》さまもあり、金毘羅《こんぴら》さまもある。神さまだか、仏さまだかわからないようなところは、いくらだってある。あらたかでありさえすれば、それでいいじゃありませんか。」
「ところが、わたしどもはそうは思わないんです。これが末世《まっせ》の証拠だと思うんです。金胎《こんたい》両部なぞの教えになると、実際ひどい。仏の力にすがることによって、はじめてこの国の神も救われると説くじゃありませんか。あれは実に神の冒涜《ぼうとく》というものです。どうしてみんなは、こう平気でいられるのか。話はすこし違いますが、嘉永六年に異国の船が初めて押し寄せて来た時は、わたしの二十三の歳《とし》でした。しかしあれを初めての黒船と思ったのは間違いでした。考えて見ると遠い昔から何艘《なんそう》の黒船がこの国に着いたかしれない。まあ、わたしどもに言わせると、伝教《でんぎょう》でも、空海《くうかい》でも――みんな
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