う》した三本マストの旗艦ミスシッピイ号をも目撃した人である。浦賀の奉行《ぶぎょう》がそれと知った時は、すぐに要所要所を堅め、ここは異国の人と応接すべき場所でない、アメリカ大統領の書翰《しょかん》を呈したいとあるなら長崎の方へ行けと諭《さと》した。けれども、アメリカが日本の開国を促そうとしたは決して一朝一夕のことではないらしい。先方は断然たる決心をもって迫って来た。もし浦賀で国書を受け取ることができないなら、江戸へ行こう。それでも要領を得ないなら、艦隊は自由行動を執ろう。この脅迫の影響は実に大きかった。のみならずペリイは測量艇隊を放って浦賀付近の港内を測量し、さらに内海に向かわしめ、軍艦がそれを掩護《えんご》して観音崎《かんのんざき》から走水《はしりみず》の付近にまで達した。浦賀奉行とペリイとの久里《くり》が浜《はま》での会見がそれから開始された。海岸に幕を張り、弓矢、鉄砲を用意し、五千人からの護衛の武士が出て万一の場合に具《そな》えた。なにしろ先方は二千人からの水兵が上陸して、列をつくって進退する。軍艦から打ち出す大筒《おおづつ》の礼砲は近海から遠い山々までもとどろき渡る。かねての約束
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