古い庭の見える方へ行った。松林の多い裏山つづきに樹木をあしらった昔の人の意匠がそこにある。硬質な岩の間に躑躅《つつじ》、楓《かえで》なぞを配置した苔蒸《こけむ》した築山《つきやま》がそこにある。どっしりとした古風な石燈籠《いしどうろう》が一つ置いてあって、その辺には円《まる》く厚ぼったい「つわぶき」なぞも集めてある。遠い祖先の昔はまだそんなところに残って、子孫の目の前に息づいているかのようでもある。
「まあ、客が来たら、この庭でも見て行ってもらおう。これは自分が子供の時分からながめて来た庭だ。あの時分からほとんど変わらない庭だ。」
 こんなことを思いながら待ち受けているところへ、半蔵と寿平次の二人が佐吉を供に連れて着いた。その時、七郎左衛門は家のものを呼んで袴《はかま》を持って来させ、その上に短い羽織を着て、古い鎗《やり》なぞの正面の壁の上に掛かっている玄関まで出て迎えた。
「これは。これは。」
 七郎左衛門は驚きに近いほどのよろこびのこもった調子で言った。
「これ、お供の衆。まあ草鞋《わらじ》でも脱いで、上がってください。」
 と彼の家内《かない》までそこへ出て言葉を添える。案内顔な
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