伸び支度
島崎藤村
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)大概《たいがい》の
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二|階《かい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)見※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《みまわ》して
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十四、五になる大概《たいがい》の家《いえ》の娘《むすめ》がそうであるように、袖子《そでこ》もその年頃《としごろ》になってみたら、人形《にんぎょう》のことなぞは次第《しだい》に忘《わす》れたようになった。
人形《にんぎょう》に着《き》せる着物《きもの》だ襦袢《じゅばん》だと言《い》って大騒《おおさわ》ぎした頃《ころ》の袖子《そでこ》は、いくつそのために小《ちい》さな着物《きもの》を造《つく》り、いくつ小《ちい》さな頭巾《ずきん》なぞを造《つく》って、それを幼《おさな》い日《ひ》の楽《たの》しみとしてきたか知《し》れない。町《まち》の玩具屋《おもちゃや》から安物《やすもの》を買《か》って来《き》てすぐに首《くび》
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