が石見の境ださうだよ。」
 私がそれを鷄二にいつてみせるころは、そこいらは眞暗であつた。動いて行く汽車の中からも窓の外に顏を出したが、黒い山の傾斜しか目に映らなかつた。私達はその夜の空氣に包まれながら、山陰地方から離れて行つた。



底本:「現代日本紀行文学全集 西日本編」ほるぷ出版
   1976(昭和51)年8月1日初版発行
初出:「大阪朝日新聞」
   1927(昭和2)年7月〜9月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※「樂しからうと思った。」の「っ」は底本通りにしました。
※踊り字(/″\)の誤用は底本の通りとしました。
入力:林 幸雄
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年9月29日作成
2005年12月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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