わりああいう人に仕事をさせると――どうかすると、非常に器用な素人《しろうと》ではあっても、無器用な専門家には成れないことが有ります」
「そういうものでしょうかねえ……」
「一体、正太さんは人懐《ひとなつ》こい――だからあんなに女から騒がれるんでしょう」
豊世は苦いような、嬉しいような笑い方をした。
入口の庭の隅には、僅かばかりの木が植えてある。中でも、八手《やつで》だけは勢が好い。明るい新緑は雨に濡れて透き徹《とお》るように光る。青々とした葉が障子の玻璃《ガラス》に映って、何となく部屋の内を静かにして見せた。その静かさは、あだかも蛇が住む穴の内のような静かさであった。
お雪は起って行って、お俊夫婦の写真を取出して来た。新郎《はなむこ》は羽織袴《はおりはかま》、新婦《はなよめ》も裙《すそ》の長い着物で、並んで撮《と》れていた。
「お俊ちゃんの旦那さんは大層好い方だそうですネ」とお雪は豊世と一緒に写真を見ながら、「お俊ちゃんは真実《ほんと》に可羨《うらやま》しい」
「私も可羨しいと思いますわ」と豊世が言った。
「何故、そんなに可羨しいネ」と三吉は二人の顔を見比べた。
「でも仲の好いの
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