何とか言いましたネ、広田サ……今度の店の方はどうですかネ」
正太は寂しそうに笑った。「ええ、まあ暖簾《のれん》が掛けてあるというばかり。それに、叔父さん、店員は大抵去りましたし、あの店も小さいところへ移りました……塩瀬の没落以来、もう昔日の面影《おもかげ》はありません」
「でも、君は出てはいるんでしょう」
「この節は、遊びです。実は此頃《こないだ》、広田の店の為に、一策を立てて見ました。まあ、乗るか反《そ》るか、一つやッつけろと言うんで。あるところへ一日の中に九|度《たび》も車で駆付けさして、しかも雨のドシャ降りの日に、この店を活《い》かすなり殺すなりどうなりともしてくれ、そう言って私が転《ころ》がり込んで行った……宛然《まるで》ユスリですネ……どうしても先方《さき》で逢わない。すると、広田の店の方で、どうも橋本は凄《すご》いことをするなんて、そんな裏切者が出て来る……胆《きも》ッ玉の小さな男ばかり揃《そろ》ってるんでサ。あんなことで何が出来るもんですか。私も何卒《どうか》して、早く新しい立場を作らんけりゃ成らん……」
正太の眼は物凄く輝いた。同時に、何となく萎《しお》れた色を見せ
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