おとな》しく寝てるものを、そうッとして置くが可い」とお種は壁に寄せて寝かしてある一番|幼少《ちいさ》い銀造の顔を覗《のぞ》きに行った。
「どうです、姉さん、これが六人めですよ――随分出来も出来たものでしょう」
「お前さんのところでは、お雪さんも御達者だし、どうして未だ未だこれから出来ますよ」
こんなことを傍で言われて、お雪はキマリが悪そうに茶戸棚《ちゃとだな》の方へ行った。
「真実《ほんと》に、子供があると無いじゃ、家の内が大違いだ」と言って、お種は正太の家のことを思い比べるような眼付をした。
その日、お種は心易く振舞おう振舞おうとしていたが、どうかすると酷《ひど》く興奮した調子が出て来た。時にはそれが病的に聞えた。すこしも静止《じっと》していられないような姉の様子が、何となくお雪には気づかいであった。お種は狭い町中の住居《すまい》をめずらしく思うという風で、取散した勝手元まで見て廻ろうとするので、お雪はもう冷々《ひやひや》していた。
姉を案内して、三吉は二階の部屋へ上った。日中《ひるなか》の三味線の音が、乾燥《はしゃ》いだ町の空気を通して、静かに響いて来た。
「姉さん、東京も変
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