つやつ》しいほど質素な服装などが早く夫に別れたらしい不幸な生涯を語っていた。今一人は肥え太った、口数のすくない女学生であった。いずれもすこし歩き疲れたという風で、時刻過ぎてからお腹《なか》をこしらえようとしていた。三吉は休茶屋にあるものを取寄せて、この人達をもてなした。
「何卒《どうぞ》おかまい下さいますな。私共は持って参りました……」
と言って、年長《としうえ》の婦人は寂しそうに笑った。山歩きでもするように、宿から用意して来た握飯《むすび》がそこへ取出された。肥った女学生は黙って食った。
やがて、三吉はこの人達を城跡の方へ案内した。桑畠の間を通って、鉄道の踏切を越すと、そこに大きな額の掛った門がある。四人は熱い日の映《あた》った赤土の崖《がけ》に添うて、坂道を上った。高い松だの、アカシヤだのの蔭を落している石垣の側へ出た。
どうかすると、連の二人はズンズン先へ歩いて行って了《しま》った。曾根は深張の洋傘《こうもり》に日を避《よ》けながら、三吉と一緒に連の後を追った。
大きな石を積み上げた古い城跡には、可憐な薔薇《ばら》の花などが咲乱れていた。荒廃した石段を上って、天主台のとこ
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