て、腰《こし》を曲《こゞ》めて手傳《てつだ》つて呉《く》れました。慣《な》れない旅《たび》ですから、おまけに馬籠《まごめ》から隣村《となりむら》の妻籠《つまご》へ行《ゆ》く二|里《り》の間《あひだ》は石《いし》ころの多《おほ》い山道《やまみち》ですから、父《とう》さんの草履《ざうり》の紐《ひも》はよく解《と》けました。その度《たび》に伯父《をぢ》さんが足《あし》をとめては紐《ひも》を結《むす》んで呉《く》れました。

   六二 木曽川《きそがは》

隣村《となりむら》の妻籠《つまご》には、お前達《まへたち》の祖母《おばあ》[#「祖母」は底本では「祖毎」]さんの生《うま》れたお家《うち》がありました。妻籠《つまご》の祖父《おぢい》さんといふ人もまだ達者《たつしや》な時分《じぶん》で、父《とう》さん達《たち》をよろこんで迎《むか》へて呉《く》れました。そこで、初《はじめ》の日《ひ》は妻籠《つまご》に泊《とま》りまして翌朝《よくあさ》また伯父《をぢ》[#ルビの「をぢ」は底本では「おぢ」]さんに連《つ》れられて出掛《でか》けました。
妻籠《つまご》の吾妻橋《あづまばし》といふ橋《はし》の手前
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