の自由を保護すべき武器として、言論集会出版等の勢力漸くにして世に顕はれたり。政府未だ如何にして是等の新傾向に当るべきかを知らざりしなり。明治政府はひたすら聯合より単一に趣かんことに意を鋭くしたり。十年の役は聊《いさゝ》か其目的を達したりと雖、なほ各種の異分子の相《あひ》疾悪《しつを》するもの政府部内に蟠拠《はんきよ》するあれば、表面は堅固なる組織の如くなれど、其実極めて不安心なる国躰なりと云はざるを得ず。
[#地から2字上げ](明治二十六年四月)
底本:「現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房
1969(昭和44)年6月5日初版第1刷発行
1985(昭和60)年11月10日初版第15刷発行
初出:「評論 一號〜四號」女學雜誌社
1893(明治26)年4月8日、4月22日、5月6日、5月20日
入力:kamille
校正:鈴木厚司
2005年1月27日作成
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