人生の意義
北村透谷
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)豈《あに》敢て
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)吾人|素《もと》より
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)赤心[#「赤心」に傍点]を
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)もろ/\の学芸
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人間の外に人間を研究すべき者なし、ライフある者の外にライフを研究すべき者なし。近頃ライフの一字、文学社会に多く用ひらるゝに至れるを見て、ひそかに之を祝せんとするの外、豈《あに》敢て此大問題を咄嗟《とつさ》の文章にて解釈することをせんや。然るに吾人が爰《こゝ》にて物好きにも少しくライフの意義に就きて言はんと欲するに至りたるは、決して偶然の事にあらざるなり。
ライフの一字に真正の解釈を加へんとせば、汎く哲学、宗教、及び諸科学に渉りて之を窮めざるべからず、何となれば、もろ/\の学芸は実にライフを解釈するが為に成立すと云ふとも不可なき程なればなり。然れども、吾人|素《もと》より哲学者にあらず、曷《いづく》んぞ斯かる面倒なる事を議論す
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