粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ
北村透谷
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)所謂《いはゆる》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)八幡|摩利支天《まりしてん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ます/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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心して我文学史を読む者、必らず徳川氏文学中に粋[#「粋」に白丸傍点]なる者の勢力おろそかならざりしを見む。巣林子以前に多く此語を見ず、其尤も盛なるは八文字屋以後にありと云ふべし。彼の所謂《いはゆる》洒落本《しやれほん》こんにやく本及び草紙類の作家が惟一《ゆゐいつ》の理想とし、武道の士の八幡|摩利支天《まりしてん》に於けるが如く此粋様を仰ぎ尊みたるの跡、滅す可からず。
粋様[#「粋様」に白丸傍点]の系統を討《たづ》ぬれば、平安朝の風雅之れが遠祖なり。語を換へて言へば、日本固有の美術心より自
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