くなりしか、或は非か。一巻余が為には善知識なり、説の当非は暫らく措きて、余が松洲《しようしう》に泊せし一夜の感慨は斯くの如し。家に帰へりて「奥の細道」を閲《けみ》するに、蕉翁は左の如く松島に於て誌《しる》せり。
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ちはや振《ぶる》神のむかし大山つみのなせる業にや造化の天工いづれの人か筆をふるひ詞を尽さむ。
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[#地から2字上げ](明治二十五年四月)
底本:「現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房
1969(昭和44)年6月5日初版第1刷発行
1985(昭和60)年11月10日初版第15刷発行
初出:「女學雜誌 三一四號」女學雜誌社
1892(明治25)年4月23日
入力:kamille
校正:鈴木厚司
2008年1月19日作成
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