処女の純潔を論ず
(富山洞伏姫の一例の観察)
北村透谷
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)而《しか》して
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)無害|無痍《むい》にして
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「てへん+僉」、第3水準1−84−94]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)益《ます/\》
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
天地愛好すべき者多し、而《しか》して尤も愛好すべきは処女の純潔なるかな。もし黄金、瑠璃《るり》、真珠を尊としとせば、処女の純潔《チヤスチチイ》は人界に於ける黄金、瑠璃、真珠なり。もし人生を汚濁穢染《をぢよくゑせん》の土《ど》とせば、処女の純潔は燈明の暗牢に向ふが如しと言はむ、もし世路を荊棘《けいきよく》の埋むところとせば、処女の純潔は無害|無痍《むい》にして荊中に点ずる百合花とや言はむ、われ語を極めて我が愛好するものを嘉賞せんとすれども、人間の言語恐らくは
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