のつとめは何事にも自由に従事するを許せり、その生命《いのち》の為なり、永久の為なり、而してこのつとめに入るものゝ為にはすべて必要なるものは自《おのづ》からに備へられてあるなり、食物も、衣服も、家屋も、是等の必要品に於て必らず自《おのづか》ら給せらるゝところあるべし、之に加ふるに、主は常に彼と共にありて、勇気を与へ、力を与へ、而して最後には渠《かれ》と共に永遠の栄に入らしめたるなり。然れども我儕は主のつとめを為すに於て、主に対する愛[#「愛」に白丸傍点]と、我等の心の真[#「真」に白丸傍点]とを以てせざるべからず。然らざればすべての事、何の益もあるべからず。
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諸君の[#「諸君の」に白丸傍点]事《つか》ふるところ如何[#「ふるところ如何」に白丸傍点]
「汝らの事《つか》ふべき者を今日《こんにち》選べ」(約書亜記《よしゆあき》二十四、十五)
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[#地から2字上げ](明治二十六年七月)
底本:「現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房
1969(昭和44)年6月5日初版第1刷発行
1985(昭和60)年11月10日
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