劇詩の前途如何
北村透谷
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)筮卜者《ぜいぼくしや》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)野心|勃々《ぼつ/\》として
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「風にょう+(火/(火+火))」、第3水準1−94−8]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぼつ/\
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文界の筮卜者《ぜいぼくしや》は幾度となく劇詩熱の流行を預言せり、然るに今年までは当れるにもあらず、当らぬにもあらず、これといふ傑作も出ざれば、劇詩の流行とも言ふべき程の事もあらず。小説界には最早《もはや》二三世紀とも言ふべき程の変遷あり、批評界も能《よ》く変じ能く動きたるに、劇詩のみは依然として狂言作者の手に残り、如何《いかん》ともすべき様なし。
劇詩の消長は劇界の動勢と密接の関係を有する者なるが故に、彼世界の故実旧式は、自からに明治文学の革命の狂※[#「風にょう+(火/(火+火))」、第3水準1−
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