客居偶録
北村透谷
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)素《も》と虚弱
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)都門|熱閙《ねつたう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)促々《そく/\》として
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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其一 旅心
暫らく都門|熱閙《ねつたう》の地を離れて、身を閑寂たる漁村に投ず。これ風流|韻事《ゐんじ》の旅にあらず。自から素性を養ひて、心神の快を取らんとてなり。わが生、素《も》と虚弱、加ふるに少歳、生を軽うして身を傷《やぶ》りてより、功名念絶えて唯だ好む所に従ふを事とす。不幸にして籍を文園に投じ、猜忌《さいき》の境に身を※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]めり。斯の如きは素願にあらず、希《ねがは》くは名もなく誉
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