頑執妄排の弊
北村透谷

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)途《みち》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)造化|豈《あに》動なからんや

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「二点しんにょう+貌」、第3水準1−92−58]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ばく/\
−−

 宇宙を観察するの途《みち》二あり、一は宇宙を「死躰」として観《み》るにあり、他は宇宙を「生躰」として観るにあり、人生を観察するの途二あり、一は人生を今世に限られたるものとして観るにあり、他は人生を未来に亘るものとして観るにあり。爰《こゝ》に於て吾人は知る、人間世に処するの途は、現在に希望を置くと、未来に希望を置くとの二岐に分るゝあるのみ。更に去つて歴史を観るに、盛衰興亡の端多く、一去一来の跡空しきも、之を要するに、歴史の中心潮は、未来の希望を現実に適用するにあるのみ。悠々たる天と、※[#「二点しんにょう+貌」、第3水準1−
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