のように労働者と百姓だけで国を治めて行かない限り、どうしてもウマク行かない。――皆この意見だ。云われて見れば、どれもこれも胸へピンピン来るではないか。
農村に一国の政治、経済の中心地があったことがあるか。享楽、外交、流行、芸術の中心地であったことがあるか、――考えるさえコッケイだ。昔五つか六つでしかなかった「都会」が短い間にどんなに急激に殖えたか。――人口から云っても、もう半分以上は都会に集ってしまっている。これだけ見ても分る。然し「都会」と「農村」は何処まで行っても敵、味方ではないのだ。ただ、今の世の中のしくみ[#「しくみ」に傍点]がそうさせているので、で、そのように見えているだけだ。
岸野のことでは面白く話してくれた。――仮りにS村から年五千円上がるとすると、彼奴はそれをまず拓殖銀行に預金する。(一番上品に、知らん振りをしているが、「銀行」というものこそ、百姓の咽喉をしめる親方の総元締であることを見ている百姓が一人でもいるか!)――すると、その金は拓殖銀行から、又農業資金として、年賦貸付になって出て行く。それを直接借りるのは自作農か※[#「┐<△」、屋号を示す記号、301−上−
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