───────────────────┐
 │  酒一斗             校長先生 │
 │  金三十円也           岸野殿  │
 │  ビール一打           ※殿   │
 │  ビール一打           吉岡殿  │
 │  手拭百本            H町長殿 │
 │  金十円也            相馬殿  │
 │ 右本会設立ヲ祝シ、各位ヨリ御寄贈下サイマシ │
 │ タ。                    │
 │ 有難ク御礼申上ゲル次第デアリマス。     │
 │                    幹事 │
 └───────────────────────┘
[#罫内の「※」は「※[#「┐<△」、屋号を示す記号、269−下−5]」]

「ホオーッ!」
「豪儀なもんだ。矢張りな。」
「有難いもんだ。」
 盃と銚子がやかましく、カチャカチャと触れ合った。
 ――役員や招待された人や講演した人達は、吉本管理人の宅へ引き上げた。そこで水入らずの「酒盛」を始めた。H町からは、自動車で酌婦が七、八人やってきた。――皆は夜明け近く
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