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[#罫内の「※」は「※[#感嘆符二つ、1−8−75]」]
「もう五つ――」
争議団は小樽の労働者達に見送られて、――一ヵ月以上の「命がけ」の(伴は、あとで思い出すと、背中がゾッとする、とよく云っていた。――よくまアやってきたもんだ。)闘争の地を後にした。
あと九ツでH停車場だ!――もう七ツだ――もう五ツ――四ツ――三ツ、と、なると皆は云いようのない気持に抑えられた。近くなればなる程、小作人達はムッ[#「ムッ」に傍点]つり黙りこんできた。
――伴の厚い、大きな肩が急に激しく揺れた。と、ワッと泣き出してしまった。雪焼けした赭黒い顔に、長い間そらなかった鬚が一面にのびていた。――伴は自分の肱に顔をあてた。そして声をかみ殺した。
嬉しかった! ただ嬉しい。それをどうすればいいか分らないのだ。
女達も思わず前掛で顔を覆ってしまった。
[#改段]
十六
「毎日毎日、一月も考えた。」
「ねえ、健ちゃ……」
節は余程云い難いことらしかった。
「……お父な、嫁にでも直く行《え》ぐ
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