とは出来ないだろう、と云っている。一刻も早く争議団が出て来るように、話すことだ。云々――
このたった一枚の葉書が、思いがけなく、行き詰っていた方向に大きなキッカケを与えた。
そうだ、それだ!――気付かなかった。
争議団は活気づいた。――新らしい編成が行われた。
「争議団小樽出張委員」、農場に残る「連絡委員」の決定、――この争議を岸野農場だけのものにせず、他農場も一斉に立つように、たゆまず宣伝、煽動すること、――小樽に於ける情勢の刻々の変化に応じて、報告、示威、糾弾を兼ねた演説会を開くこと、これには農民組合S村支部が主に当ること――等が定められた。
健は小樽へ出て行きたかった。然し連絡委員として残らなければならなかった。――仕事が急に忙がしくなった。「農業倉庫」に入れてある米を、倉荷証券で売り払って、争議資金に充てることにした。
争議団小樽出張委員伴、阿部外十三名は、組合旗、流し旗をたてて小作人に送られた。小樽に出るということが分ると、吉本や武田は周章てて、遠まわしに調停めいたことを云ってきた。
雪は四、五日前から降っていた。満目ただ荒涼とした石狩平野には、硝子クズのように鋭
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