のあり糞!」
 女の子も負けてはいない。「源一げんとて、げりき、けんだれき、げりやのげり糞! やあ、げり[#「げり」に傍点]糞、げり[#「げり」に傍点]糞!」
 愈※[#二の字点、1−2−22]《いよいよ》だ! 健は恐ろしいような、心臓のあたりをくすぐられるような気持になっていた。
 ――吉本管理人は伴の顔をみると、
「見ろ!」と云って、眼の前に手紙を投げて寄こした。「あんなことを云ってやったから、見れ、かえって片意地にさせてしまった。――んだから、馬鹿だって云うんだ。」
 狸奴! 俺達の云った通りのことを、貴様が正直に書いてやったと誰が思ってる! 手前が自分の立場が可愛くて、小作人が飛んでもないことやらかしてるッて、有る事、無い事、嘘八百並べてやったんでないか。順序が順序だから、手前のような奴を中にはさんだんだ!――
 伴は手紙を懐に入れると、吉本に挨拶もしないで外へ出た。
「騒いだりしたら損だど。――分ってるべ、ん?」
 出かけに吉本が云った。――返事もしない。
 こうなれア立場としては吉本は、可哀相なほどオロオロだ。様《ざま》ア見ろッ!
 伴の家には、五、六人集っていた。――健も
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