かのように考え、又考え込ませられている。だが本当は須山のように皆から信用のある、自分たちのそばで肩をならべて働いているものがそうであることを、ハッキリと示し、親しみと信頼を起させる必要があった。――私が須山に公然と党のビラを撒かせる決意をしたのは、そこから来ていた。
最後を闘うためには、仮りに須山がいないとしてもそれは他の誰かゞやらなければならない任務だったのだ。陰謀的な仕方ばかりでは、大衆的動員は行われない。見えない組織をクモの巣のようにのばして置いて、そこへ公然たる煽動《せんどう》を持ち込まなければならないのだ。
その最後の対策をたてるために、私たちはエンコすることになった。この案はそこに出され、決められるのだったが――然し須山のことを考えると、私はさすがに心がしめつけ[#「しめつけ」に傍点]られた。党のビラを撒いたとなれば、闘争経歴にもよるが、二三年から四五年の懲役を覚悟しなければならないのだ。何時《いつ》もなら、私は外へ一歩出たら、元とはちがって、一切の空想ごとや考えごとをやめて、四囲《まわり》に注意して歩くことにしていたが(そしてそれは可なり慣れていたが)、その日は、フト
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