の特徴のある身体つき[#「身体つき」に傍点](こんなものは犬にでも喰われろ!)がそのまま分るからである。早く冬がくれば、私は「さ、もう一年寿命が延びて、活動が出来るぞ!」と考えた。たゞ東京の冬は、明る過ぎるので都合が悪かったが。――然しこういう生活に入ってから、私は季節に対して無関心になったのではなくて、むしろ今迄少しも思いがけなかったような仕方で非常に鋭敏になっていた。それは一昨年刑務所にいたとき季節々々の移りかわりに殊の外鋭敏に感じたその仕方とハッキリちがっている。
 これらは意識しないで、そうなっていた。置かれている生活が知らずにそうさせたのである。もと、警察に追及されない前は、プロレタリアートの解放のために全身を捧《ささ》げていたとしても、矢張り私はまだ沢山の「自分の」生活を持っていた。時には工場の同じ組合の連中(この組合は社民党系の反動組合だった。私はそこでの反対派として仕事をしていた)と無駄話をしながら、新宿とか浅草などを歩き廻わることもしたし、工場細胞としての厳重な政治生活が規制されていたが、合法生活が当然伴う「交際」だとか、活動写真を見るとか、(そう云えば私は最近この活
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