丁寧であつた。それには龍吉は苦笑した。渡は「小川さんはねえ、警察で一度ウンとこさなぐられたら、もつと凄く有望になるんだがな。」と云つたことがあつた。渡はかういふ事では、何時でもズパ/\云つた。
「君より感受性が鋭敏だから、結局同じことさ。」
彼は今迄たゞ一寸したおどかしの程度に平手しか食つてゐなかつた。が、今度の事件では渡などと殆んど同じに警察から龍吉がにらまれた。それが「凄く」彼に打ち當つてきた。
取調室の天井を渡つてゐる梁に滑車がついてゐて、それの兩方にロープが下がつてゐた。龍吉は×××××(以下五行削除)彼の×、××××××××××なつた。眼は眞赤にふくれ上がつて、飛び出した[#「飛び出した」は底本では「飛ひ出した」]。
「助けてくれ!」彼が叫んだ。
それが終ると、××に手をつツこませた。
龍吉は××で×××××××××結果「××れた」幾人もの同志を知つてゐた。直接には自分の周圍に、それから新聞や雜誌で、それ等が[#「それ等が」は底本では「それ等か」]慘めな××になつて引渡されるとき、警察では、その男が「自×」したとか、きまつてさう云つた。「そんな筈」の絶對にない事が分つ
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