してゐるのを感じた。さうなれば、然しもう「どうとも勝手」だつた。意識がさういふ風に變調を來してくれば、それは××に對しては魔醉劑のやうな効果を持つからだつた。
主任が警察で作つた×××の系圖を出して、「もう、こんなになつてるんだ。」と云つて、彼の表情を讀もふとした。
「ホウ、偉いもんだ。成る程――。」醉拂つたやうに云つた。
「おい、さう感心して貰つても困るんだ。」
係はもう殆んど手を燒きつくしてゐた。
終ひに、皆は滅茶苦茶に×××たり、下に金の打つてある靴で蹴つたりした。それを一時間も續け樣に續けた。渡の身體は芋俵のやうに好き勝手に轉がされた。彼の××「××」××××。そして時×××××××××が終つて、渡は監房の中へ豚の臟物のやうに放りこまれた。彼は次の朝まで、そのまゝ動けずにうなつてゐた。
續けて工藤が取調べられた。
工藤は割合に素直な調子で取調べに應じた。さういふ事では空元氣を出さなかつた。色々その場、その場で方法を伸縮さして、うまく適應するやうに自分をコントロールしてゆくことが出來た。
工藤に對する××は大體渡に對するのと同じだつた。たゞ、彼がいきなり飛び上つたの
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