陸判
田中貢太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)陵陽《りょうよう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)その時|呉侍御《ごじぎょ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「門<韋」、第4水準2−91−59]

 [#…]:返り点
 (例)[#レ]
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 陵陽《りょうよう》の朱爾旦《しゅじたん》は字《あざな》を少明《しょうめい》といっていた。性質は豪放であったが、もともとぼんやりであったから、篤学の士であったけれども人に名を知られていなかった。
 ある日同窓の友達と酒を飲んでいたが、夜になったところで友達の一人がからかった。
「君は豪傑だが、この夜更けに十王殿へ往って、左の廊下に在る判官をおぶってくることができるかね、できたなら皆で金を出しあって君の祝筵《しゅくえん》を開くよ」
 その陵陽には十王殿というのがあって、恐ろしそうな木像を置いてあるが、それが装飾してあるので生きているようであった。それに東の廊下にある判官の木像は、青
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