《かす》めたものがあった。それは其の数日前、何処《どこ》からともなく来て滞在していた旅僧のことであった。住職は念のために旅僧の室《へや》に往った。其処には敷きっぱなしにした寝床があるだけで、旅僧の姿は見えなかった。そこで住職は心でうなずくことがあった。
今西林院にある義猫の塚は、彼《か》の飼猫と近くの寺の猫を合せ葬ったものであった。
底本:「怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集」春陽文庫、春陽堂書店
1999(平成11)年12月20日第1刷発行
底本の親本:「新怪談集 物語篇」改造社
1938(昭和13)年
入力:Hiroshi_O
校正:noriko saito
2004年8月20日作成
青空文庫作成ファイル:
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