札幌から来られた。広い十畳間に黄銅の火鉢が大きい。旭川はアイヌ語でチウベツ(忠別)と云ふさうな、チウは日の出、ベツは川、日の出る方から来る川と云ふ意味なさうで、旭川はその意訳だと先生が話された。
催眠術の話が出た為めか、先生は既に眠つてしまつた。明朝は六時半に釧路行に乗る筈だから、自分もそろ/\枕につかねばならぬ。(九時半宮越屋楼上にて)
底本:「日本随筆紀行第一巻 北海道 太古の原野に夢見て」作品社
1986(昭和61)年6月10日第1刷発行
底本の親本:「石川啄木全集 第八巻」筑摩書房
1979(昭和54)年1月
入力:mayu
校正:富田倫生
2001年8月9日公開
2005年11月22日修正
青空文庫作成ファイル:
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