ヘ、いつものことなので、てんでに走り寄って、籠のなかから書画を持ち出し、自分たちの気に入ったものを選び取った。そしてその代りに米や魚や野菜を、しこたまそのなかに運び入れることを忘れなかった。
籠が一杯になると、驢馬は市場を後に、もと来た道を道草も喰わないで、静かに帰って往った。
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遊び
1
すべて画家とか、彫刻家とかいう人たちのなかには、いろんな動物を飼って、その習性なり、形態なりを研究し、写生するのがよくある。
与謝蕪村の門弟松本奉時という大阪の画家は、ひどく蛙が好きで、方々からいろんな種類を集めて、それを写生したり、鳴かせたりして喜んでいた。それだけに、長い間には珍らしいのを見つけることも少くはなかったが、あるとき、三本足と六本足の蛙を見つけて、これこそ後の世に伝えなければならぬと、筆をとってこくめいに写生したものが、今に残っているということだ。
2
長崎東福寺の住職東海和尚は、画の方でもかなり聞えた人で、よく河豚を描いて人にくれたりしていたが、ほんとうのところは、まだ一度もこの魚を見たことがなかった。
あるとき、和尚は海
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