ナ、神よりも生命が長い。――そんなものが一つ、まだ見ぬメキシコの森林に存在することを思うだけでも、私の心は波のように踴躍する。
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   台所のしめじ茸

     1

 十月中頃のある日の午後二時過ぎ、水が飲みたくなって台所へおりて往った。天気が好いので、家のものたちは皆外へ出て往った後で、そこらはひっそりとしていた。
 窓を洩れる西日が、明るく落ちている板敷に、新らしい歯朶《しだ》の葉を被せかけた笊《ざる》がおいてあるのが眼についた。そっとその葉をとりのけてみると、朽葉のかけらを頭に土ぼこりを尻っぺたにこびりつけた菌《きのこ》が、少し前屈みになった内ぶところに、頭の円い小坊主を幾つか抱え込んで、ころころと横になっていた。
「おう。しめじ茸か。しばらくだったな。」
 私は久方ぶりに友達に逢ったようにこう思って、その一つを取り上げてみた。冷たい秋の山のにおいが、しっとりと手のひらに浸み入るようだった。
 私はよく雑木山のなかで、しめじ茸を見つけたことがあった。この菌は狐のたいまつなどが、湿っぽい土地に一人ぽっちで立っているのと違って、少し乾《かわ》いたところに、大勢の仲
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