ェよくある。

     5

 籠に盛られた新鮮な白菜をみるとき、私はまず初冬の夜明の空気の冷さを感じ、葉っぱの縮緬皺にたまった露のかなしい重みを感じ、また葉のおもてをすべる日光の猫の毛のような肌ざわりの柔かさを感じるが、その次の瞬間には、すぐこの野菜が塩漬にせられた後の、歯ざわりの心よさを感じぬわけにゆかない。
 ちょうど赤楽の茶※[#「怨」の「心」に代えて「皿」、第3水準1−88−72]を手にした茶人が、その釉薬のおもしろみに、火の力を感じると同時に、その厚ぼったい口あたりに、茶を啜るときの気持よさを感じるのと同じようなものだ。
 どうにも仕方がない。
[#改ページ]

   栗

 今日但馬にいる人のところから、小包を送って来た。手に取ると、包みの尻が破けていて、焦茶色の大粒の栗の実が、四つ五つころころと転がり出した。
「いよう。栗だな。丹波栗だ……。」
 私は思わず叫んだ。そしてその瞬間、子供のように胸のときめきを覚えた。
 どれもこれも小鳥のように生意気に嘴《くちばし》を尖らし、どれもこれも小肥りに肥って、はち切れそうに背を円くしている。
 焦茶色の肌は、太陽の熱をむさぼる
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