sたきがしら》が西へとってあった。
住職は合点が往かなかった。
「滝頭を西にとったのはおかしい。すべてどんなものでも、頭は東にあるのが、本当じゃなかろうか。」
「ごもっともさまで。……すべて滝頭を東にとりますのは、庭造りの極った型でございます。」又四郎は答えた。「が、それは在家の庭のことで、寺方のになりますと、滝頭を西にとった方が、かえって本当かと思われます、むかしから仏法東漸と申しまして……。」
「仏法東漸か。なるほどそう聞けば、それも尤なようだて。」
住職は笑って納得するより外には仕方がなかった。
同じ頃に、蘭坡和尚という禅僧があった。和尚は自坊の境内に一段の風致を加えるために、枝ぶりのいい松を五、六株植えたことがあった。程経て気がついてみると、松の葉は赤く枯れかかっていた。和尚は衰えた松の薬には酒がいいことを聞いていたが、酒は自分にも二つとない好物だったので、いくら松のためとは言い条、それを譲るわけにはゆかなかった。和尚はかねて懇意な間柄だったので、又四郎に相談をもちかけた。
「見らるるとおり、あのように松が枯れかけて来た。何かいい薬はないものかしら。」
「薬はいろいろあ
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