やうに、どんな物でも手當り次第に荒こなしをするだけで、自分の生命に吸ひとる分量といつたら、ほんの僅かしかない。彼等が滅亡の日に出會すと、ちやうどかうした巨大胃の病人が食斷ちしたやうに、少しの持堪《もちこた》へもなく死んでしまふ。――それを思ふと、かうした荒廢の姿に、私は言はうやうのない温かい氣持をもつ事が出來る……
底本:「現代日本紀行文学全集 西日本編」ほるぷ出版
1976(昭和51)年8月1日初版発行
底本の親本:「薄田泣菫全集 第八巻」創元社
1939(昭和14)年刊行
初出:「三田文学」
1911(明治44)年3月
入力:林 幸雄
校正:門田裕志
2003年3月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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